コーヒーのカフェイン除去方法とは?デカフェがどうやって作られるのかを紹介
uni coffee stand(ユニコーヒースタンド)の焙煎士です。今回は、「コーヒーのカフェイン除去方法とは?デカフェがどうやって作られるのかを紹介」についてお話させていただきます。
忙しい毎日のひと息、カフェインを控えめにしたいときにぴったりなデカフェ。
「どうやってカフェインを取り除いているんだろう?」と気になったことはありませんか?
今回は、デカフェの除去方法と特徴をご紹介します。お気に入りの一杯を選ぶ参考にしてくださいね。
コーヒーのカフェイン除去方法
デカフェとは、コーヒー豆からカフェインを90%以上取り除いたコーヒーです。
除去方法は3つあり、それぞれ特徴があります。詳しく紹介していきます。
水抽出法(スイスウォータープロセス)
水抽出法は、コーヒー豆を水溶液に浸して、カフェインを溶かし出す方法です。
1930年代にスイスで開発、1980年代にカナダの企業によって改良され、販売されるようになりました。
【製造工程】
- 水溶液(GCE:Green Coffee Extract)を作る
カフェイン以外のコーヒー成分で飽和した水溶液(GCE)を作ります。
- コーヒー豆を浸す
カフェインを含むコーヒー豆をGCEに浸します。
- カフェイン抽出
GCEがコーヒー豆の周りを循環し、カフェインのみが水溶液に溶け出します。
- フィルタリング
カフェインを含んだGCEは、カーボンフィルターを通過して、カフェインのみが除去されます。
- くり返し
コーヒー豆のカフェイン含有率が低くなるまでくり返されます。
- 乾燥
カフェインが除去されたコーヒー豆を乾燥させて完成です。
化学薬品を使わないので、自然派志向の方におすすめです。コーヒーの味わいが楽しめます。
超臨界二酸化炭素抽出法(CO2法)
二酸化炭素を特殊な状態(超臨界状態)にして、カフェインだけを選んで取り除く、最新の技術を用いたカフェイン除去方法です。
二酸化炭素の圧力と温度を調整することで、カフェインのみを効率的に除去できるため、コーヒーの風味や香りを損なわないデカフェが作れます。
【製造工程】
- コーヒー豆と二酸化炭素の準備
コーヒー豆に水分を加えて膨潤させます。二酸化炭素を加熱・加圧して超臨界状態にします。
- カフェイン抽出
超臨界二酸化炭素を抽出容器内のコーヒー豆に触れさせます。超臨界二酸化炭素がコーヒー豆に浸透し、カフェインを選択的に溶解します。
- 分離
カフェインを含んだ超臨界二酸化炭素を分離槽に移します。圧力を下げると、二酸化炭素が気化し、カフェインが分離されます。
- カフェイン回収
分離されたカフェインを回収します。このカフェインは他の製品に利用できます。
- 二酸化炭素の再利用
気化した二酸化炭素は冷却・圧縮され、再び超臨界状態にして再利用されます。
- コーヒー豆の乾燥
カフェインが除去されたコーヒー豆を乾燥させて完成です。
化学薬品を使わないので安全性が高く、安心して飲むことができます。カフェインは他の製品に利用でき、二酸化炭素は再利用されるため、環境にやさしい方法です。
有機溶媒法
「有機溶媒」という化学薬品を使って、カフェインを取り除く方法です。
最も古くから使われている方法でコストが低く、カフェイン除去効率が高いのが特徴です。
有機溶媒にコーヒー豆を浸してカフェインを除去しますが、安全性の問題があります。
日本では安全性の問題から有機溶媒を使用しているデカフェは禁止されていますが、購入の際は確認すると安心です。
海外のデカフェで一般的に使われるジクロロメタンには、発がん性や生殖毒性などのリスクがあります。
カフェイン除去方法を知り安心してデカフェを楽しもう
デカフェのカフェイン除去方法には「水抽出法」「超臨界二酸化炭素法」「有機溶媒法」の3つがあり、それぞれ特徴が異なります。
デカフェを飲むなら、水抽出法や超臨界二酸化炭素法がおすすめです。
体にやさしいデカフェを選んで、リラックスした時間を過ごしましょう。