スペシャリティコーヒーはいつからある?歴史と評価基準を解説
香りも味わいも高品質なスペシャリティコーヒー。
「いつからあるの?」「どうやって決められるの?」と気になる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、スペシャリティコーヒーの歴史と評価基準について解説します。
スペシャリティコーヒーをさらに楽しみたい方は、読み進めてくださいね。
スペシャリティコーヒーの歴史
スペシャリティコーヒーという表現は、1970年代にアメリカで生まれました。
当時のコーヒー産業は、大量生産して低価格で提供することが主流の時代。
その結果、生産者の賃金が低下したため担い手が減り、人不足によってコーヒーの品質が低下してしまいました。低品質なコーヒーは、人々のコーヒー離れの原因に。
この悪循環を断ち切るために、コーヒー本来の味を楽しめる高品質なものを提供しようという動きが起こり、スペシャリティコーヒーの考え方が徐々に広まりました。
スペシャリティコーヒー協会の設立
1980年代に入ると、コーヒーの品質基準を確立、産業として成長させるためにSCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)が設立されました。
その後、1988年にイギリスでSCAE(ヨーロッパスペシャルティコーヒー協会)が設立。
さらに、スペシャルティコーヒー市場の国際的な成長に従い、基準や教育プログラムの一貫性が求められ、2017年にSCAA とSCAEが統合しSCA(スペシャルティコーヒー協会)となりました。
日本では、2003年にSCAの支部として、SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)が設立されています。
スペシャリティコーヒーの評価基準
スペシャリティコーヒーは、SCAやCQI(コーヒー品質協会)が世界各地で開催する評価テストで決められます。
評価テストでは、トレーサビリティとカッピングによるコーヒーの品質が評価されます。
カッピングとは、味や品質を評価するためのテイスティングのことです。
以下では、トレーサビリティとSCAのコーヒー評価項目についてご紹介します。
トレーサビリティ
トレーサビリティとは、「追跡可能性」という意味で、コーヒーの生産から消費までの過程を透明化する仕組みです。
スペシャリティコーヒーでは、生産者や生産地、精製方法、収穫年など、コーヒー豆の詳細な情報が共有されます。
トレーサビリティによって品質が保証され、生産者は公正な取引ができ、さらには消費者のもとに安心して届けられるメリットがあります。
コーヒーの評価項目
SCAのカッピング基準は、100点満点でスペシャリティコーヒーを評価します。
以下の各10項目を10点満点で評価し、その合計から欠陥による減点を行い、最終スコアが算出されます。
- フレグランス/アロマ(香り)
- フレーバー(風味)
- アフターテイスト(後味)
- 酸味
- ボディ(口当たり)
- バランス
- クリーンカップ(透明感)
- 均一性
- 甘さ
- 総合評価
最終スコア80点以上が、スペシャリティコーヒーと認定される基準です。
コーヒーのスコアによる分類
コーヒーのスコアによって、以下のように分類がされます。
- 80点以上:スペシャルティコーヒー
高品質で明確な酸味や甘さ、クリーンな後味がある。欠点がほとんどない。
- 75~79点:プレミアムコーヒー
比較的高品質なコーヒー。風味に際立った印象がない。欠点豆が少ない。
- 60~74点:コモディティコーヒー
標準的な品質のコーヒー。大量生産され、味わいの個性が少なく、欠点豆も一定数含まれる。
- 60点未満:インフェリアコーヒー
品質が低く、欠点豆が多く含まれる。
H2:スペシャリティコーヒーは生産者の情熱を感じられる特別なコーヒー
スペシャリティコーヒーは、1970年代にアメリカで誕生し、高品質なコーヒーを求めて動きから広まっていきました。
SCA(スペシャルティコーヒー協会)によって、明確な基準と評価システムが確立され、世界中で統一された品質管理が行われています。
コーヒーの中でも、スペシャリティコーヒーは特に生産者の努力と技術を感じられる最高の一杯です。
スペシャリティコーヒーを選ぶ際には、ぜひ生産者のストーリーもチェックしてみてくださいね。