日本に初めてコーヒーが伝わったのはいつ?日本のコーヒー文化の始まり
uni coffee stand(ユニコーヒースタンド)の焙煎士です。今回は、「日本に初めてコーヒーが伝わったのはいつ?日本のコーヒー文化の始まり」についてお話させていただきます。
私たちの暮らしに馴染んでいるコーヒー。
「日本に初めてコーヒーが伝わったのはいつ?」「どんな歴史があるの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
今回は、日本に初めてコーヒーが伝わった歴史と戦後のコーヒーブーム、現在に至るまでをご紹介します。
コーヒーの歴史を知ると、毎日のコーヒータイムがさらに楽しくなるかもしれませんよ。
日本に初めてコーヒーが伝わった歴史
日本に初めてコーヒーが伝わったのは、江戸時代初期の1600年代半ばごろと考えられています。
江戸時代に伝わったオランダ経由のコーヒー
コーヒーは、長崎の出島を通じて伝わったとされています。
当時日本は鎖国をしており、唯一貿易ができたのは長崎の出島。オランダ商人によって初めて日本に伝わりました。
当初コーヒーを飲むことができたのは、通訳や役人などの限られた人たちのみ。
日本ではお茶文化が浸透していたので、コーヒーの独特な味わいが受け入れられなかったことも、あまり広がらなかった要因と言われています。
本格的に広がったのは明治時代
江戸時代末期から明治時代にかけて、コーヒーが徐々に広まっていきました。
1858年の日米修好通商条約締結をきっかけに、コーヒー豆の正式な輸入が開始。
1888年には日本初の喫茶店「可否茶館」が東京にオープンし、一般の人々もコーヒーを楽しめるようになりました。
戦後のコーヒーブームとインスタントコーヒーの登場
戦時中はコーヒー豆の輸入が止まっていましたが、1950年にコーヒー豆の輸入が再開され、日本のコーヒー文化が復活し始めました。
1960年に生豆の輸入が全面自由化されると、コーヒーの輸入量は急増し、第一次コーヒーブームが始まります。
この時期に喫茶店ブームが起こり、音楽を楽しめるシャンソン喫茶、ジャズ喫茶、ロカビリー喫茶などが人気を集めました。
インスタントコーヒーは、1950年代後半に輸入が始まりました。
1960年に森永製菓が日本初のインスタントコーヒーを発売し、その後ネスカフェや明治、リプトンなどのブランドが続々と参入。
インスタントコーヒーの登場によって、コーヒーがより身近な飲み物となったのです。
日本独自のコーヒー文化の発展
日本のコーヒー文化は、時代とともに変化してきました。ここでは、日本独自のコーヒー文化についてご紹介します。
スペシャリティコーヒーとサードウェーブ
2000年代以降に世界的に広まった「サードウェーブ」の影響によって、日本のコーヒー文化は大きく変化しました。
サードウェーブコーヒーとは、コーヒーはただの嗜好品ではなく「職人の手によって作られる飲み物」として重視するもの。
豆の産地や品種、焙煎方法、抽出方法にこだわり、コーヒーの風味を最大限に引き出すことを目的としています。
その中で高品質なスペシャリティコーヒーを提供する店舗が増え、店舗の技術を活かした丁寧なコーヒーづくりが注目されています。
コンビニコーヒーの普及
日本におけるコーヒー文化のもうひとつの大きな変化が、コンビニコーヒーの普及です。
2010年代に入り、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンなどのコンビニ各社が、本格的なドリップコーヒーを提供し始めました。
コンビニで、安価で手軽に淹れたてのコーヒーが楽しめるようになり、コーヒーの消費スタイルが大きく変わりました。
コーヒー専門店の多様化
日本のコーヒー専門店は、従来の喫茶店文化を基盤としつつ、新しい形態も登場しています。
ゆったりとした空間で高品質なコーヒーを提供する店舗や、自家焙煎のスペシャリティコーヒーショップ、小規模ながら高品質なコーヒーを提供するコーヒースタンドが増えています。
他にも、猫カフェやブックカフェなど、コーヒーだけでなく空間も組み合わせた店舗もあります。
歴史や背景を知るとコーヒータイムがさらに楽しく
日本にコーヒーが伝わったのは江戸時代ですが、広まったのは明治時代。
戦後のブームを経て、今ではスペシャリティコーヒーやコンビニコーヒーが普及し、個性的な専門店も増加しています。
コーヒーの歴史や背景を知ることで、いつもの一杯がより味わい深いものになりますね。
次のコーヒータイムは、そんな歴史に思いを馳せながら楽しんでみてはいかがでしょうか?