ブラックコーヒー=無糖は日本だけ?海外との違いを分かりやすく解説
ブラックコーヒーは、砂糖もミルクも入っていないコーヒーのイメージがありますよね。
しかし、実はブラックの定義は、日本と海外では異なるとご存じでしたか?
今回は、日本と海外のブラックコーヒーの定義と、違いがある理由についてご紹介します。
「ブラック=無糖」は日本だけ?日本の定義
日本では、「ブラックコーヒー=砂糖もミルクも何も入れないコーヒー」というのが一般的な認識です。実は、これは日本特有の文化なのです。
日本のコンビニや自動販売機で「ブラック」と書かれていれば、無糖・無添加のコーヒーを意味していることがほとんどですよね。
また、ブラックコーヒーは男らしいというイメージがあるため、男性の中には砂糖やミルクを入れにくいと感じたり、「ブラックが当たり前」と思ったりする人も少なくありません。
一方で、カフェオレやカプチーノは、どちらかというと女性的な印象を持たれることがあります。
さらに、最近では健康志向やカロリーを気にする方が、砂糖なしの選択肢としてブラックを選ぶ傾向も見られます。
海外では「ブラックコーヒー」の意味が違う
海外では「ブラックコーヒー」という言葉の意味が必ずしも無糖とは限りません。
例えば、アメリカやヨーロッパでは、ブラックとはあくまで「色」が黒いままのコーヒーを指し、砂糖を入れても、ミルクやクリームを加えていなければ「ブラックコーヒー」とされます。
実際、海外のカフェで「ブラックコーヒーをください」と注文したところ、砂糖入りが出てきたという体験談も少なくありません。
つまり、日本での「無糖=ブラック」とはニュアンスが違うのです。
なぜ日本と海外で違いがあるのか
日本と海外の違いの背景には、それぞれの飲み物文化や歴史が関係しています。
日本の文化と歴史
日本はお茶文化が根付いており、緑茶や麦茶など、基本的に「甘くない飲み物」を飲む習慣があります。
その流れで、コーヒーも何も加えないストレートで飲むことがスタンダードになったと言われています。
日本では、第二次世界大戦後に質のあまりよくないコーヒー豆が多く流通していました。
そのため、豆の持つ嫌な酸味に悩まされることが多く、「どうすれば美味しく飲めるか?」と工夫が始まったのです。
そこで主流になったのが、酸味を感じにくい深煎りの焙煎方法。ただし、深煎りは焙煎が難しく、うまくやらないとえぐみや焦げっぽさが出てしまうことも。
そこで、それをやさしく抽出するために、布フィルターを使った「ネルドリップ」という抽出方法が広がり、喫茶店文化として根づいていきました。
この流れの中で、濃くて香ばしいブラックコーヒーが「美味しいコーヒー」として親しまれるようになっていったのです。
海外の文化と歴史
コーヒーは元々苦味が強い飲み物であり、17世紀頃からその苦味を和らげるために砂糖やミルクを加える習慣が始まりました。
また、欧米では一般的に、日本人よりも甘味や乳製品を好む傾向があります。
そして、ヨーロッパ各国では、コーヒーの飲み方に独自のスタイルがあります。
例えば、フランスではカフェオレ(ミルクたっぷりのコーヒー)が朝食の定番であり、イタリアではエスプレッソに砂糖を加えるのが一般的です
コーヒーに砂糖やミルクを加える習慣が根強く残っているため、「ミルクを入れていない=ブラック」とする捉え方のほうが自然だったのかもしれません。
「ブラック=無糖」は日本ならではだった!
「ブラック=無糖」というのは、日本ならではの文化です。
コーヒーは、世界中で楽しまれている飲み物だからこそ、国によって個性や文化の違いがあるのも魅力のひとつですね。
自分の好みに合った飲み方を見つけたり、旅先での違いを感じたりしながら、コーヒーを楽しみましょう。